- 若い世代にも増えているTFCC損傷
- TFCC損傷の症状と間違われやすい捻挫との違い
- TFCC損傷の原因は?
- TFCC損傷の重症度チェック
- TFCC損傷は治らない?
- TFCC損傷の治療法
- TFCC損傷の痛みを緩和するには?
- TFCC損傷でやってはいけないこと
若い世代にも増えているTFCC損傷
TFCC損傷とは、手首の小指側にある「三角線維軟骨複合体(TFCC)」という組織が傷ついた状態を指します。手首の小指側の痛みが代表的な症状で、手をひねる動作や、ドアノブを回す・重い物を持つなどの動作で痛みを感じやすくなります。近年では、18~30代の若い世代にもTFCC損傷が増えていることが報告されています。 スポーツによる手首への負荷だけでなく、長時間のスマートフォン操作やPC作業など、手首を酷使する生活習慣が影響していると考えられます。さらに、加齢による手首の組織の変性(老化)によっても発症リスクが高まります。
手首に負担のかかるスポーツ(野球・テニス・ゴルフなど)を行う方や、手首をよく使う仕事の方は特に注意が必要です。痛みを放置すると慢性化し、治療期間が長引く可能性がありますので、早めの受診をおすすめします。
TFCC損傷の症状と間違われやすい捻挫との違い
手首における捻挫は、手首に強い負荷がかかった時に、靭帯が伸びる・損傷する外傷であり、TFCC損傷とは異なります。
症状としては、手首の腫れ・痛み・可動域の減少・内出血などが挙げられます。
一方のTFCC損傷では、三角線維軟骨複合体の損傷であり、手首の小指側の痛みが出ます。手首を捻る時、重い物を持つ時に、痛みが出やすいという特徴があります。
TFCC損傷の原因は?
主な原因として、手首への強い衝撃、繰り返しの手首への負荷が挙げられます。
野球・テニス・ゴルフなどのスポーツをする人、手首をよく使う仕事をしている人は、TFCC損傷を起こしやすいと言えます。また近年では、スマホの長時間使用が原因と思われるTFCC損傷も見られます。
その他、加齢に伴う手首の関節の老化も、TFCC損傷の発症リスクを高めます。
TFCC損傷の重症度チェック
TFCC損傷の特徴的な症状として、手首の小指側の痛みが挙げられます。
重症度の判定の目安をご紹介します。
軽度
- ドアノブを回す、重い物を持つ等、手首に負荷がかかる時だけ痛みが出る
- 痛みによる日常的な動作への影響は小さく、安静にしていれば症状が和らぐ
中程度
- 手首に負荷をかけた時だけでなく、安静時にも痛みが出るようになる
- 痛みが強くなり、手首を捻る等の動作に支障が出る
重度
- 安静時を含め常に痛みがあり、手首を動かす時に特に症状が強く現れる
- 手首を捻るのが躊躇われる、痛みで夜中に目が覚める等、日常生活への影響が大きくなる
TFCC損傷は治らない?
TFCC損傷は、治癒が期待できる病気です。特に軽度のTFCC損傷であれば、適切な治療により、比較的短期間での改善が可能です。一方で中等度以上になると、治療期間が長くなる可能性があります。
普段あまり意識しませんが、私たちは日常生活におけるさまざまな場面で手首に負荷をかけており、痛みによって動作に制限や躊躇いが生じることは、QOLにも大きく影響します。
TFCC損傷の治療法
保存療法の適応となる場合、半数以上の症例で1カ月以内に完治する可能性があります。
一方、手術が必要になった場合には、リハビリを含めると6カ月程度の治療期間が必要となります。
保存療法
手首の安静を保ち、必要に応じてサポーターを使用します。
消炎鎮痛剤やステロイドの注射を行うこともあります。
リハビリ療法
保存療法などで痛みが落ち着いてから、または手術を終えてから、積極的にリハビリを行います。筋力や柔軟性の維持・回復により、再発防止に努めます。
体外衝撃波(集束型)
体外衝撃波(集束型)は、TFCC損傷に伴う手関節周囲の痛みや炎症が生じている部位に、衝撃波を一点に集中的に照射する治療法です。
集束型の衝撃波により、手関節の深部組織にピンポイントで作用し、血流改善や組織修復の促進、慢性的な手首の痛みの軽減が期待できます。安静や薬物療法を行っても痛みが長引く場合や、保存療法の一環として、手術を検討する前の低侵襲な治療選択肢として行われることがあります。皮膚を切らない治療のため、日常生活への影響が少ないのも特徴です。
手術療法
内視鏡によるTFCC縫合術、尺骨短縮術などの術式が選択されます。
手術が必要になった場合には、提携病院をご紹介します。
TFCC損傷の痛みを緩和するには?
TFCC損傷の痛みを和らげるためには、以下のようなことが大切になります。
安静
症状に気づいたら、無理に動かしたりせず、できるだけ手首を安静にさせましょう。
ストレッチ
深呼吸をしながら、以下の手順でストレッチをします。
- TFCC損傷を発症した側の手の指を、反対側の手でゆっくりと引っ張ります。
- 手首全体が伸びていることを意識しながら、約10秒保持します。
※痛みがあるうちは行わないでください。またストレッチによって痛みが出た場合には、中止してください。
テーピング(サポーター)
手首の安静を目的として、テーピングやサポーターを使用することがあります。ただ、テーピングは正しく巻くのが難しいことがあるため、医師の指導の下、使用することをおすすめします。
TFCC損傷でやってはいけないこと
無理に動かす・痛みに耐えて使用する
「動かしたら良くなるのでは?」と無理に動かすと、損傷部位の悪化につながります。痛みがある場合は安静を最優先にしてください。
手首をひねる動作・重い物を持つ
ドアノブを回す、ビンのフタを開ける、重い荷物を持ち上げるなどは症状を悪化させます。日常生活の中でも、手首を捻る動作は避けましょう。
スポーツの継続
野球・テニス・ゴルフなど、手首を使うスポーツは症状を悪化させる原因になります。再開は、医師の許可が出てからにしましょう。
長時間のスマホ・PC作業
片手操作や長時間の使用は、患部に負担を与えます。使用する際は、反対の手を使う、机に置いて操作するなど工夫しましょう。
ストレッチや自己流のテーピング
痛みがある時のストレッチや自己流のテーピングは、悪化の原因になることがあります。ストレッチは痛みがない範囲で行い、テーピングは可能であれば医師の指導を受けましょう。