- 腱鞘炎(ばね指)とは
- 腱鞘炎(ばね指)の症状
- 腱鞘炎(ばね指)の原因
- 腱鞘炎(ばね指)の検査・診断
- 腱鞘炎(ばね指)の治療法
- ばね指は自然に治る?放置するとどうなる?
- 自分でできるばね指セルフケア
- ばね指になったらやってはいけないこと
腱鞘炎(ばね指)とは
ばね指とは、手指で起こる腱鞘炎です。指の腱が、腱を包む腱鞘と擦れることで発症します。指を曲げ伸ばしする際の引っかかり感、バネのように弾けて伸びるなどの特徴的な症状が見られます。
どの指にも起こり得ますが、親指・中指・薬指での頻度が高くなります。
腱鞘炎(ばね指)の症状
ばね指には、以下のような症状が見られます。
- 指の付け根の痛み、腫れ、熱感
- 指を曲げ伸ばしする際の引っかかり感
- 指を伸ばそうとする時に、カクンと弾けて伸びる(ばね現象)
- 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
- 指のこわばり、動かしづらさ
- 指が曲がったまま動かなくなった(ロッキング)
腱鞘炎(ばね指)の原因
ばね指の主な原因は、指の酷使と女性ホルモンのバランスの変化です。
指の使い過ぎ
腱・腱鞘に繰り返しの負荷がかかることで、炎症が引き起こされます。デスクワーク・スポーツ・楽器演奏などで指をよく使う人は、注意が必要です。
女性ホルモンのバランスの変化
妊娠・閉経などによって女性ホルモンのバランスが変化すると、腱・腱鞘が脆くなり、ばね指の発症リスクが高くなると言われています。
腱鞘炎(ばね指)の検査・診断

レントゲン検査
ばね指の炎症はレントゲン検査では分かりませんが、他の疾患との鑑別のために必要になります。
超音波検査
リアルタイムで関節を観察し、引っかかりが生じている部位、滑走が悪くなっている部位を調べます。
疼痛誘発検査
腫れ、痛み、ばね現象の有無を確認します。
MRI検査
上記の検査で診断がつかない場合には、MRI検査が必要になります。
必要時は近隣の提携クリニックをご紹介します。
腱鞘炎(ばね指)の治療法
保存療法
リハビリテーション
指やその周囲のストレッチ、筋トレなどを行います。滑走障害に対するマッサージも有効です。
薬物療法
炎症や痛みの軽減を目的として、消炎鎮痛剤や湿布を使用します。
注射療法
症状が強く日常生活に支障をきたしている場合には、ステロイド注射を行います。痛みが軽減すれば、積極的にリハビリを行います。
体外衝撃波(集束型)
体外衝撃波(集束型)は、ばね指における痛みの原因となっている腱・腱鞘周囲の炎症部位や腱付着部に、衝撃波を一点に集中的に照射する治療法です。集束型の衝撃波を用いることで、指の深部組織にピンポイントで作用し、血流改善や炎症の鎮静、慢性的な指の痛みや引っかかり感の軽減が期待できます。
リハビリや薬物療法、注射を行っても症状が改善しにくい場合に、保存的治療の一つとして検討されます。皮膚を切らない低侵襲な治療のため、日常生活への影響が少ないのも特徴です。
手術療法(2mm切開ばね指手術)
保存療法や注射療法を行っても症状が改善しない場合には、腱の通り道(腱鞘)が狭くなっている部分を開放する「腱鞘切開術」を検討します。
当院では、一般的な腱鞘切開術よりも傷口を小さく抑えられる「2mm切開ばね指手術」に対応しています。
専用のガイドメスを使用することで、切開は約2mmと最小限、縫合・抜糸が不要で、日常生活への復帰が早いのが特徴です。
ばね指は自然に治る?放置するとどうなる?
ばね指は軽症であれば一時的に症状が改善することもありますが、多くは自然治癒せず、悪化していくことが多い疾患です。
放置すると以下のような状態に進行することがあります。
- 痛み・腫れが強くなる
- 引っかかりが増えてロッキング(曲がったまま動かない)を起こす
- 関節が固まり、手術が必要になるケースが増える
- 家事・仕事に支障が出やすくなる
「朝だけ引っかかる」「我慢すれば動く」という段階でも、症状が進行しやすいため、早めの受診が推奨されます。
自分でできるばね指セルフケア
ばね指は、炎症の程度によっては自宅でのセルフケアで症状が軽くなることがあります。
ただし、セルフケアはあくまで補助的な対処法であり、根本治療ではありません。
痛みが強い場合や指が引っかかって動きにくい場合には、無理をせず早めの受診をおすすめします。
以下では、日常生活でできる負担軽減や、軽症の段階で役立つセルフケアをご紹介します。
患部のアイシング
炎症や腫れが強い時期は、1回10〜15分ほど患部を冷やすことで痛みの軽減が期待できます。
手指の負担を減らす生活工夫
日常の「使い過ぎ」を防ぐことが、ばね指の悪化予防につながります。
包丁を両手で持つ、スマホ使用を減らす、キーボードの打鍵を軽めにするなど、指の負担を避ける工夫が有効です。
軽いストレッチ
痛みが落ち着いている時期は、医師やリハビリで指導された範囲のストレッチが滑走改善に役立ちます。
ただし、痛みが強い時期や、引っかかりが強い場合は控えるようにしてください。
ばね指になったらやってはいけないこと
指を無理に曲げ伸ばしすること
引っかかりがある状態で無理に指を動かすと、腱と腱鞘の摩擦が増え、炎症が悪化します。
痛みを我慢して家事・仕事・スポーツを続けること
特に手をよく使う作業(包丁・パソコン作業・スマホの長時間使用・裁縫・楽器演奏など)は控え、患部を休ませることが大切です。
強いマッサージや指圧を行うこと
患部を揉んだり押したりすると、かえって炎症が悪化し、腫れや痛みが増すことがあります。
指を固定しすぎること
安静は必要ですが、長期間固定し続けると関節が硬くなる場合があります。適切な範囲での安静・装具使用が重要です。