- 若い男性に多い腰椎椎間板ヘルニアとは?
- 腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い
- 腰椎椎間板ヘルニアの原因
- 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状から受診の目安まで
- 腰椎椎間板ヘルニアの治療法
- 治療期間
- 自然治癒は可能?どれくらいで治る?
- 腰椎椎間板ヘルニアを悪化させないために
若い男性に多い腰椎椎間板ヘルニアとは?
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎(背骨の腰部)の1つ1つの骨の間にある「椎間板」が変性して飛び出し、神経を圧迫することで、腰痛やしびれをきたす病気です。以前は中高年に多い病気でしたが、近年はデスクワークの増加などが要因と考えられ、若い世代での発症が増加傾向にあります。また、仕事・スポーツなどで腰に負荷をかける機会が多いためか、男性によく見られます。
腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い
腰椎椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が神経を圧迫して起こる病気で、その代表的な症状が“坐骨神経痛”です。
坐骨神経痛は病名ではなく「症状の名前」であり、ヘルニアが原因のこともあれば、脊柱管狭窄症や梨状筋症候群などが原因の場合もあります。
- 足に痛みやしびれが広がる
- 長く座ると痛む
といった症状があれば、原因を特定するために受診をおすすめします。
腰椎椎間板ヘルニアの原因
腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢に伴う椎間板の変性、肥満や肉体労働・スポーツ・外傷などによる腰椎椎間板への負荷が挙げられます。
また、喫煙や遺伝的要因も椎間板の変性を促し、腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクを高めます。
腰椎椎間板ヘルニアの初期症状から受診の目安まで
腰椎椎間板ヘルニアでは、その重症度に応じて、以下のような症状が見られます。
軽度
- 腰や下肢の鈍い痛み
- 下肢の違和感
中等度
- 腰~足にかけての鋭い痛みやしびれ(坐骨神経痛)
- 歩行や立ち上がりが困難
- 下肢の筋力低下
重度
- 腰~足にかけての強い痛み、しびれ
- 下肢の感覚低下
- 排尿障害、排便障害
受診の目安
以下のような症状が続く・繰り返される場合は、一度当院にご相談ください。放置すると、症状が悪化し、生活の質(QOL)が低下するおそれがあります。
- 安静にしていても痛み・しびれを感じる
- 日常生活に支障が出ている
- 痛みの範囲が広がっている
腰椎椎間板ヘルニアの治療法
保存的療法
薬物療法
消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬などを、症状に合わせて使用します。
ブロック注射
局所麻酔薬を神経やその周辺に注射します。痛みを軽減し、痛みの悪循環を断ち切る効果が期待できます。
手術療法
保存療法で十分な効果が得られない場合、手術を検討します。
手術が必要になった場合には、提携病院をご紹介します。
椎間板ヘルニア摘出術(Love法)
神経の圧迫が強い場合に選択されます。
全身麻酔下で腰椎に背中側からアプローチし、骨・黄色靭帯の一部を削り、ヘルニアを摘出します。
全内視鏡下腰椎椎間板摘出術
内視鏡を用いて、後方または斜め後方からアプローチし、ヘルニアを摘出します。
Love法と比べて低侵襲ですが、適応となる症例は限られます。
リハビリ・運動療法
一般的なリハビリ
筋力や柔軟性の維持・向上を図る体操などの運動療法、温熱・電気などを用いた物理療法等を行います。
運動療法は、薬物療法などによって痛みを落ち着かせてから開始します。
手術後に行われるリハビリ
手術後は、腰まわりの筋肉が硬くなっているため、ストレッチを中心としたリハビリから開始します。翌日には、コルセットを装着した状態で歩行器を用いた歩行訓練を行います。術後の経過や体調により、開始時期は個人差があります。
ベッドの上でできる寝返りを打つストレッチ、腹式呼吸による腹筋強化なども有効です。
治療期間
腰椎椎間板ヘルニアの状態、治療法などによって異なりますが、治療期間は通常2~3カ月程となります。
無理な運動や過度の安静はいずれも回復を遅らせる原因となります。医師とよく相談しながら、早期回復を目指しましょう。また喫煙している人は、禁煙をおすすめします。
自然治癒は可能?どれくらいで治る?
腰椎椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板の一部が体内で吸収され、自然治癒するケースもあります。
一般的には数週間〜数カ月で改善が見られますが、
- 強いしびれ
- 筋力低下
- 排尿・排便障害
がある場合は早急な治療が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアを悪化させないために
腰椎椎間板ヘルニアかもしれないという時、あるいは診断後は、腰の負荷のかかる無理な姿勢や運動を避けましょう。
姿勢においては、姿勢においては、前かがみや中腰の姿勢では、特に腰への負担が大きくなります。脚を使う(膝を曲げ伸ばしする)ことで、前屈み・中腰の姿勢はできるだけ避けましょう。また座る時は、床に直に座るのではなく、椅子を使ってください。
運動を過度に制限すると、かえって回復が遅くなることもあるため、医師の指示に従って適切に行いましょう。