- 日本人の多くが悩む膝の痛み「変形性膝関節症」とは
- 立ち上がり・歩き始めの膝の痛みは要注意!症状チェック
- 変形性膝関節症になりやすい人とその原因
- 変形性膝関節症の検査と診断
- 変形性膝関節症の治療
- 変形性膝関節症になったらしてはいけない動作
日本人の多くが悩む膝の痛み「変形性膝関節症」とは
変形性膝関節症とは、加齢・膝への繰り返しの負荷などによって、膝関節の軟骨が擦り減り、痛み・曲げ伸ばしの障害などを引き起こす疾患です。特に女性に多く、年齢が上がるほど発症率が高くなります。慢性的な膝の痛みでお悩みの方は、お早めに当院にご相談ください。
立ち上がり・歩き始めの膝の痛みは要注意!症状チェック
変形性膝関節症の主な症状としては、膝の痛みと変形、そして曲げ伸ばしのしづらさです。
初期には、立ち上がり・歩き始めに痛みが出ることが多く、進行すると安静時にも痛むようになります。
初期症状
- 立ち上がる時、歩き始めの膝の痛み
- 正座、階段の上り下り、進む方向を転換した時の膝の痛み
- 膝の重い感じ、違和感
中期症状
- 動かしていない時に膝が痛むことがある
- 正座、深くしゃがむ姿勢、階段の上り下りが難しい
- 膝の腫れ、熱感
- 膝を動かした時のきしむような音
- 膝に水が溜まる
末期症状
- 膝の痛み、曲げ伸ばしの難しさがさらに悪化する
- 歩行、座る、しゃがむなどの動作・姿勢ができない
変形性膝関節症になりやすい人とその原因
変形性膝関節症の最大の原因は、加齢です。しかし、それ以外にもさまざまな原因があります。
加齢
加齢により、膝関節の軟骨は少しずつ擦り減ります。軟骨が擦り減ると骨同士が接触したり、骨棘(こつきょく:骨のとげ)が形成されることで、炎症や痛みが生じます。
スポーツ・仕事・外傷
激しいスポーツ、重い荷物を運ぶ仕事などは、膝の軟骨の擦り減りを加速させます。また、半月板損傷や靭帯損傷などの外傷が原因になることもあります。
筋力の低下
膝まわりの筋力が低下すると、膝関節にかかる負担が大きくなり、変形性膝関節症の発症リスクが高くなります。
肥満
太っている人は、日常的に膝に大きな負荷がかかっているため、変形性膝関節症の発症リスクが高くなります。
脚の変形
O脚やX脚になると、膝の内側/外側に偏った負荷がかかり、その部位の軟骨を早く擦り減らしてしまう原因になります。
変形性膝関節症の検査と診断
中心となるのは画像検査です。なお、必ず以下のすべての検査を実施するわけではなく、症状や年齢、身体所見などをもとに選択的に実施します。

レントゲン検査
関節の変形、軟骨の摩耗の程度、骨棘の有無などが分かります。
MRI検査
レントゲン検査では映らない軟骨・靭帯・半月板の状態を確認します。MRIでは、骨壊死などレントゲンでは写らない早期の変化も確認できます。
血液検査
関節リウマチなどの炎症性疾患が疑われる場合には、血液検査を実施します。
関節液検査
関節内の炎症の程度を調べます。化膿性関節炎や結晶性関節炎との鑑別にも有効です。
変形性膝関節症の治療
薬物療法や運動療法などの保存療法から開始します。保存療法で十分な効果が得られない場合、手術を検討します。
薬物療法
消炎鎮痛剤の内服や外用のほか、関節内にヒアルロン酸を注射して潤滑を改善する治療、炎症が強い場合にはステロイド注射を行うこともあります。
運動療法
痛みが落ち着いてからできるだけ早い段階で運動療法を行います。膝まわりの筋肉を鍛えることで、膝関節への負担の軽減を図ります。
クーリーフ
(高周波熱凝固術)
膝関節の痛みを伝える神経を低温(約60℃)で優しく熱し、痛みの信号だけをブロックする治療です。
神経を焼き切る従来のラジオ波治療とは異なり、神経を壊さず安全性が高いのが特徴です。
薬やヒアルロン酸注射、リハビリを続けても痛みが改善しにくい場合に有効で、手術を避けたい方、日常生活の痛みを軽減したい方に適しています。当院では日帰りで受けられ、保険診療の対象となっています。
体外衝撃波(集束型)
体外衝撃波(集束型)は、変形性膝関節症における痛みの原因部位に衝撃波を一点に集中的に照射する治療法です。
集束型の衝撃波を用いることで、膝関節周囲の深部組織や付着部にピンポイントで作用し、血流改善や組織修復の促進、慢性的な膝の痛みの軽減が期待できます。薬物療法やヒアルロン酸注射、リハビリを行っても十分な改善が得られない場合に、手術を検討する前の保存的治療の一つとして行われます。皮膚を切らない低侵襲な治療で、身体への負担が少ないのも特徴です。
手術療法
骨切り術、人工膝関節置換術などの術式があります。
手術が必要になった場合には、速やかに提携病院をご紹介します。
変形性膝関節症になったらしてはいけない動作
膝に大きな負担がかかる運動
ダッシュやジャンプなど、膝への負担が大きい運動は控えましょう。ただ、膝まわりの筋力を維持するためにも、運動は必要です。ウォーキング、水泳などがおすすめです。
重い物を持ち上げる
重い物を持ち上げる際には、膝に大きな負担がかかります。まわりの人に手伝ってもらうなどして、できるだけ避けてください。布団の上げ下ろしはこの動作にあたるため、ベッドの使用をおすすめします。
正座やしゃがみ込む姿勢
正座や和式トイレを使用する際のしゃがみ込み姿勢は、膝への負担が大きくなります。座る時は椅子を使う、洋式トイレを使うなどして、このような姿勢を避けましょう。