- 股関節の痛みでお悩みの方へ
- 変形性股関節症とは
- 変形性股関節症の歩き方の特徴
- 【進行度別】変形性股関節症の症状
- 変形性股関節症の原因
- 変形性股関節症の検査・診断
- 変形性股関節症の治療法
- 変形性股関節症でしてはいけない動作・運動
股関節の痛みでお悩みの方へ
「最近、歩き始めや立ち上がるときに股関節が痛む」「足の付け根が突っ張る感じがある」そんな症状が続いている場合、変形性股関節症の初期段階かもしれません。
早期に原因を特定し、適切なリハビリや治療を行うことで、進行を抑えることが可能です。
変形性股関節症とは
変形性股関節症とは、股関節の軟骨の擦り減りにより、痛みや可動域の減少、歩行障害などを引き起こす病気です。進行すると、骨の変形や関節の破壊が起こり、日常生活に大きな支障をきたします。
変形性股関節症の歩き方の特徴
変形性股関節症では、股関節の痛みや可動域の制限により、歩き方に独特の特徴が見られます。
次のような歩行の変化が現れた場合は、早期の受診をおすすめします。
跛行(はこう)
痛みのある側の足をかばうため、反対側の足に体重をかけて歩くようになります。
これにより、歩くときの体の揺れが大きくなります。
トレンデレンブルグ歩行
股関節を支える筋肉(中殿筋)の筋力が低下し、痛みのある側に体が傾くような歩き方になります。
周囲の人から「左右に揺れて歩いている」と指摘されることもあります。
小刻み歩行・歩幅の減少
痛みを避けようとするため、一歩一歩の歩幅が狭くなり、足を引きずるように歩くことがあります。
前かがみ姿勢
股関節を動かすと痛むため、上体を前に傾けて歩くようになります。これにより、腰や膝にも負担がかかります。
【進行度別】変形性股関節症の症状
変形性膝関節症の主な症状は、股関節の痛みと可動域の減少です。
進行度に応じて、これらの症状が以下のような形で出現します。
初期
軟骨が擦り減り、骨と骨の距離が短くなった段階です。
立ち上がる時、歩き始めにときどき、股関節が痛みます。
中期
軟骨の擦り減りが進み、骨と骨が直接ぶつかるようになった段階です。
歩行時、動作時に、頻繁に痛みを感じるようになります。正座・しゃがむ姿勢(和式トイレの使用)・靴や靴下を履くことが難しくなります。
末期
関節の変形や破壊が起こっている段階です。
少し動かすだけで痛みが出て、日常生活に大きな影響をきたします。脚を真っすぐにすることが難しくなり、膝が外側に開きがちになります。また、左右の脚の長さに差が出てくることもあります。
変形性股関節症の原因
変形性股関節症は、以下のようなさまざまな原因が重なって発症します。
白蓋形成不全
臼蓋形成不全とは、大腿骨頭が収まる骨盤のくぼみ(臼蓋)が浅いことを指します。乳幼児期に「臼蓋形成不全」と診断された場合、多くは自然に改善しますが、一部では大人になっても残ります。大腿骨頭と臼蓋が接する面積が狭いことで負荷が偏り、軟骨の擦り減りを加速させます。
発育性股関節形成不全の後遺症
おくるみの使用、長時間の横向き抱っこによって赤ちゃんの脚の動きを制限すると、脱臼を起こすことがあります。この脱臼の見落としが、将来的な変形性股関節症の原因になることがあります。
ただ、現代ではおくるみの使用や長時間の横向き抱っこ自体が減っており、脱臼の頻度も低下しています。
加齢
関節の軟骨は、誰でも少しずつ擦り減っていきます。そのため、年齢を重ねるほど、擦り減りも大きくなります。
肥満
太っていると、それだけ股関節に大きな負荷がかります。膝や足首など他の下肢の関節にも同じことが言えます。
スポーツ・立ち仕事
激しいスポーツ、長時間の立ち仕事などをする人は、そうでない人と比べると、軟骨の擦り減りが進みやすくなります。
変形性股関節症の検査・診断
問診・視診・触診
問診では、症状や生活習慣、既往歴・家族歴、服用中の薬などについてお伺いします。
また視診・触診によって、可動域の範囲や痛みの有無などを確認します。
画像検査(レントゲン検査・MRI検査)
関節の変形の程度、軟骨の擦り減りの状態などを調べます。
MRI検査は、初期の変形性股関節症であっても診断が可能です。
血液検査
炎症の程度を調べたり、関節リウマチなどとの鑑別が必要な場合には、血液検査を実施します。
変形性股関節症の治療法
薬物療法
鎮痛薬
炎症・痛みを軽減するため、内服薬や外用薬(湿布・塗り薬)などを使用します。
注射
関節の動きを改善するヒアルロン酸注射、炎症を抑えるステロイド注射を行うことがあります。
運動療法(リハビリテーション)
筋力訓練
お尻周囲の筋肉(大殿筋・中殿筋)を中心に、体幹・膝まわりなども含め、筋力の維持・強化を図るトレーニングを行います。
可動域訓練
股関節を無理のない範囲で動かし、可動域の維持や回復を図ります。
生活指導
股関節への大きな負荷を避けるための生活習慣指導を行います。
また、太っている人には、食事療法・運動療法を組み合わせた適正体重までの減量指導を行います。
体外衝撃波
体外から高エネルギーの衝撃波を股関節周囲の痛みの原因となっている部位に集中的に照射することで、血流の改善や組織修復を促し、痛みの軽減や動きやすさの改善が期待されます。
メスを使わない非侵襲的な治療であり、内服薬や注射、リハビリテーションで十分な効果が得られない場合の選択肢となります。
なお、この治療は股関節の変形そのものを治すものではなく、あくまで痛みや機能障害の改善を目的とした治療です。
手術療法
人工股関節置換術(THA)
股関節の変形・破壊の程度によっては、手術が必要になります。現在主流となっているのが、人工股関節置換術です。その他、骨切り術という関節を温存する手術が選択されることもあります。
手術が必要になった場合には、提携病院をご紹介します。
変形性股関節症でしてはいけない動作・運動
変形性股関節症では、関節の軟骨が擦り減っている状態のため、強い負荷をかける動作は避ける必要があります。
以下の動作は痛みを悪化させたり、進行を早める原因になります。
深くしゃがむ・正座をする
股関節が大きく曲がる姿勢は、関節に強い圧力をかけます。
洋式トイレや椅子を使用するようにしましょう。
あぐらをかく・横座り
股関節をねじる動きが加わり、痛みが出やすくなります。
急な立ち上がり・立ち上がり動作の繰り返し
筋肉のバランスが崩れている状態では、急な立ち上がりで痛みが悪化します。
重い荷物を持つ・階段を勢いよく上る
股関節だけでなく膝や腰にも負担をかけます。買い物時はカートを利用しましょう。
長時間の立ち仕事・歩行
痛みが強くなるだけでなく、疲労によって筋肉がこわばり、可動域がさらに狭くなります。
注意が必要な運動
運動は大切ですが、間違った方法で行うと症状が悪化することもあります。次のような運動は控えましょう。
- ジョギング・ランニングなどの衝撃運動
- スクワット・ランジなど股関節を深く曲げる筋トレ
- フルレンジ(可動域いっぱい)のストレッチ
- 激しいダンスやエアロビクス