- ガングリオンとは
- ガングリオンの症状
- ガングリオンの原因
- ガングリオンの検査・診断
- ガングリオンの治療法
- ガングリオンは放置してもよい?
- ガングリオンは自分で潰してもいい?
- ベーカー嚢腫とは
- ベーカー嚢腫の症状
- ベーカー嚢腫の原因
- ベーカー嚢腫の検査・診断
- ベーカー嚢腫の治療法
- ベーカー嚢腫は放置してよい?
ガングリオンとは
ガングリオンとは、ゼリー状の物質が詰まった良性の腫瘤です。関節包に何らかの異常が起こり発生するとされています。米粒大~ピンポン玉大までさまざまで、大きさが変化することもあります。
大部分が手に発生し、特に手の甲に好発します。
ガングリオンの症状
手の甲、親指の付け根など、多くは手に腫瘤が発生します。頻度は低いものの、足、足首に生じることもあります。
通常、痛みはありませんが、圧痛が認められることがあります。大きさは米粒大~ピンポン玉大で、やわらかいものもあれば硬いものもあります。
ガングリオンの原因
関節包や腱鞘の変性や微小な損傷により、関節液が流れて溜まり、ゼリー状になってガングリオンを形成します。
根本的な原因は分かっておらず、手の酷使との因果関係の有無も不明です。
ただ、若い女性に多く見られる傾向があります。
ガングリオンの検査・診断

診断時のポイント
診断の際には、ゼリー状の物質が詰まった腫瘤であるかどうか、関節包・腱鞘とつながりがあるかどうかを見極めることが大切です。
腫瘤ではなく悪性腫瘍の疑いがある場合には、細胞診などの精密検査が必要になります。
視診・触診
しこりの位置、硬さ・動き、皮膚の状態などを確認します。
超音波検査(エコー)
内部構造をリアルタイムで観察します。
MRI検査
骨・軟部組織、関節全体の状態を評価します。
レントゲン検査(X線)
骨の変形など、他の病変を除外するのに役立ちます。
ガングリオンの治療法
部位や大きさによって日常生活に支障をきたしている場合や、見た目が気になる場合には、注射針でゼリー状の物質を吸引する治療を行います。吸引は、複数回必要になることがあります。
再発を繰り返す場合や神経圧迫症状がある場合には、手術を検討します。
ガングリオンは放置してもよい?
ガングリオンは良性腫瘤のため、強い痛みがない場合は経過観察のみで問題ないケースも多くみられます。
ただし以下の場合には治療が必要です。
- 神経を圧迫して痛み・しびれが出ている
- 関節の可動域が制限されている
- 大きくなり続ける
- 見た目が気になる、仕事に支障がある
自然に小さくなることもありますが、再発しやすい疾患のため、定期的な診察が推奨されます。
ガングリオンは自分で潰してもいい?
ガングリオンは、自分で潰したり針で刺したりして治すことは絶対におすすめできません。
一見するとしこりが小さくなることがありますが、以下のような重大なリスクがあります。
自分で潰す・刺す行為のリスク
細菌感染(化膿性腱鞘炎など)につながる
針やカッターで皮膚を傷つけると、深部に細菌が入り重症化することがあります。
神経や血管を傷つける危険性がある
特に手の甲は神経が多いため、しびれや痛みが残ることがあります。
再発率がさらに高くなる
潰しても内容物が再度溜まるため、ほとんどの場合すぐに再発します。
腫れが悪化することがある
無理に押しつぶすと周囲の組織がダメージを受け、痛みや腫れが強くなることがあります。
医療機関での治療が安全です
ガングリオンが気になる場合は、以下の医療機関での安全な処置が推奨されます。
- エコーで内部を確認した上での穿刺吸引
- 再発を繰り返す場合は手術による嚢腫摘出
これらは局所麻酔下で行うため痛みが少なく、感染のリスクも大幅に下げられます。
ベーカー嚢腫とは
ベーカー嚢腫とは、膝関節の滑液が過剰に産生され、膝の裏側の関節包に溜まってしまう病気です。
膝の裏の異常な膨らみや腫れ、膝を曲げる時の違和感などがある場合には、ベーカー嚢腫を疑います。
ベーカー嚢腫の症状
ベーカー嚢腫の主な症状は、膝の裏のふくらみです。一見して分かることもあれば、膝を曲げる時の膝裏の違和感から気づくというケースもあります。嚢腫が大きくなると、膝の動きに制限が生じます。
その他、痛みや膝の倦怠感、こむら返り(けいれん)などが見られることもあります。
ベーカー嚢腫の原因
変形性膝関節症・関節リウマチに伴う膝関節の炎症、膝関節の外傷・障害、スポーツ・仕事による膝の酷使、先天的な膝の構造異常など、さまざまな原因が挙げられます。
また、加齢が発症リスクを高めており、中高年に多い病気です。
ベーカー嚢腫の検査・診断

視診・触診
膝裏のふくらみ、痛みの有無などを確認します。
超音波検査
関節包に溜まった滑液の状態を調べます。
MRI検査
関節内を詳細に調べるため、必要に応じて実施します。
ベーカー嚢腫の治療法
保存療法
通常、まずは保存療法を行います。
経過観察
嚢胞が小さく痛みがない・ほとんどない場合には、経過観察に留めます。
薬物療法
非ステロイド性抗炎症薬、湿布などで痛み・炎症の軽減を図ります。
関節液の吸引
注射器で関節液を吸引することで、腫れや痛みが軽減します。吸引後、炎症の抑制のためステロイド注射を行うことがあります。
原因疾患の治療
変形性膝関節症、関節リウマチなどの疾患が原因となっている場合、その原因疾患に対する治療を行います。
手術療法
保存療法で十分な効果が得られない場合には、嚢胞摘出術、関節鏡下手術などの手術を検討します。
これらの手術が必要になった場合には、速やかに提携病院をご紹介します。
ベーカー嚢腫は放置してよい?
ベーカー嚢腫は、必ずしもすぐに治療が必要な病気ではありません。
ただし以下のケースでは早期受診が必要です。
- 膝裏の張りが強く歩きにくい
- 急激に膝裏が腫れて痛い
- ふくらはぎまで腫れてきた
- 熱感がある
- 膝が伸ばしにくい・曲げにくい
※嚢腫が破れた場合、ふくらはぎに痛みと腫れが生じ、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)と似た症状が出ることがあるため注意が必要です。