四十肩・五十肩とは
正式には「肩関節周囲炎」と言い、肩関節の周囲の痛み、肩関節の運動制限が生じている状態を指します。進行して肩がほとんど動かせなくなる(肩関節拘縮)と治療に時間がかかります。四十肩・五十肩というのは一般的な呼び名です。40代で発症すれば四十肩、50代で発症すれば五十肩と呼ぶだけで、症状や治療法に違いはありません。
四十肩・五十肩の症状でお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。
四十肩・五十肩の原因
比較的身近な四十肩・五十肩ですが、実ははっきりとした原因は分かっていません。
ただ、以下のような要因が、四十肩・五十肩の発症に影響しているものと考えられます。
加齢
加齢に伴い肩関節周囲の組織の柔軟性・弾力性が低下したり、滑液包内の滑液分泌が減少することなどが、肩の動きの悪化につながると言われています。
肩の酷使
野球・バレーボール・テニス、あるいは重い荷物を運ぶ仕事などによって肩関節にダメージが蓄積したことが原因で、四十肩・五十肩を発症することがあります。
生活習慣病
糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病は、全身で動脈硬化を進行させます。これにより、肩関節周囲の組織でも酸素・栄養の不足が起こると考えられます。
性別
肩関節周囲炎患者は、男性よりも女性に多く見られます。これは、更年期に差し掛かった女性の体内で女性ホルモンの分泌が減少することが影響していると考えられます。
四十肩・五十肩の検査・診断
四十肩・五十肩は、他の肩の疾患との鑑別が非常に重要です。特に、レントゲン検査では多くの場合、肩関節の異常が写らないため、正確な診断には限界があります。
当院では、超音波(エコー)検査を導入しています。エコー検査は、レントゲンでは確認できない筋肉・腱・靭帯・滑液包などの軟部組織の状態を詳細に評価できるため、肩関節周囲炎以外の疾患を見逃すリスクを軽減できます。また、より精密な画像診断が必要な場合には、MRI検査が受けられるよう、連携病院をご紹介いたします。
四十肩・五十肩の症状
四十肩・五十肩では、肩の痛み、肩の動かしづらさ、腕が上がらない等の症状が見られます。これにより、日常生活におけるさまざまな場面で不便が生じます。
- 高い所にある物を取れない
- 洗髪、着替えがしにくい
- 洗濯、掃除などの家事への支障
- つり革が持てない
さらに、四十肩・五十肩が進行すると、肩がまったく動かせなくなる「肩関節拘縮」という状態に至ることがあります。
四十肩・五十肩の治療法
サイレントマニピュレーション
肩関節拘縮を伴う重症例では、サイレントマニピュレーションが有効です。肩関節に局所麻酔をかけ、痛みのない状態で医師が肩を慎重に動かし、癒着を剥がします。多くの場合、1回で大きな改善が得られます。
運動療法
痛みが落ち着いてからは、運動療法を開始します。適切な時期に正しく肩を動かすことで、可動域が回復しやすくなります。ご自宅でできるストレッチなどについても、指導いたします。
物理療法
電気、温熱などを活用したリハビリテーションです。血行の改善・筋肉の緊張の緩和により、痛みの軽減を図ります。
四十肩・五十肩の予防
四十肩・五十肩を予防するためには、以下のようなことが大切になります。
不良姿勢の改善
猫背などの不良姿勢がある場合は、改善しましょう。特に、デスクワーク・スマホ使用時は不良姿勢になりがちです。こまめに休憩をとることも忘れないようにしてください。
食事・運動に気を付け、生活習慣病を予防する
四十肩・五十肩のリスク因子と考えられる糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病にならないようにしましょう。生活習慣の改善、なかでも適度な運動は、四十肩・五十肩の予防に直接的に有効となります。
冷えを避ける
血行不良の原因となる身体の冷えの対策をしましょう。衣類・室温の調整はもちろんですが、適度な運動、毎日の入浴(シャワーだけで済ませない)なども有効です。
当院の五十肩(四十肩)専門外来について
当院では、五十肩(肩関節周囲炎)の診療経験が豊富な整形外科専門医が診療を行う「五十肩専門外来」を設けています。
五十肩は自然に改善する場合もありますが、痛みが強い時期(急性期)・肩が固まる時期(拘縮期)・回復期 のどの段階にあるかによって、適切な治療が異なります。
当院では、
- 超音波(エコー)による詳細な評価
- ハイドロリリース
- サイレントマニピュレーション
- 専門的なリハビリテーション
- 生活指導(予防まで含めた包括対応)
を組み合わせ、患者様一人ひとりに合わせた段階的・集中的治療を行います。
特に、肩が固まってしまった重症の方にはサイレントマニピュレーションにも対応しており、大学病院レベルの治療を地域で提供できる体制を整えています。
五十肩で「何ヶ月も治らない」「何をしても痛い」「夜も眠れない」という方は、早めの専門的な評価が回復の近道です。
受診を迷っている方へ
四十肩・五十肩は、放置してしまうと肩関節が固まり、治療期間が長期化する原因になります。
また、「五十肩だと思っていたら、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎だった」というケースも多く、早期の正確な診断が重要です。
- 肩の痛みが続いている
- 腕が上がらない
- 夜間痛がつらい
- 日常生活に支障が出ている
- 他院の治療で改善しない
このような症状があれば、我慢せず当院へご相談ください。
正確な診断×適切な治療×専門的なリハビリにより、早期改善を目指します。
筋肉と筋膜の間に生理食塩水を注入し、癒着の解消を図る治療です。正確な注入のため、超音波で観察しながら実施します。癒着による痛みなどの症状改善が期待できます。