- スポーツや日常動作を支えるアキレス腱
- スポーツによる繰り返しの負荷が原因?アキレス腱炎
- アキレス腱炎の検査
- アキレス腱炎の治療法
- 歩けないことも…アキレス腱断裂の症状
- アキレス腱断裂の原因
- アキレス腱断裂の治療法
- この兆候が出たら危険!?アキレス腱の再断裂の危険性
スポーツや日常動作を支えるアキレス腱
アキレス腱は、ふくらはぎとかかとの骨をつなぐ線維状の組織です。筋肉が収縮することで骨を引っ張り、立ち上がったり歩いたりするさまざまな動作において、重要な役割を担っています。
そして、アキレス腱本体やその付着部に炎症が起こっている状態を、アキレス腱炎またはアキレス腱付着部炎と呼びます。
主に、以下のような症状が見られます。
- ふくらはぎ~かかとの痛みや腫れ
- 運動時の痛み、圧痛
- かかとを上げた時の痛み
- つま先を上げた時の痛み
スポーツによる繰り返しの負荷が原因?アキレス腱炎
走る・ジャンプするなどの運動や力仕事などによって繰り返しアキレス腱に負荷がかかることで、ダメージが蓄積し、炎症が起こります。
その他、加齢によるふくらはぎの筋力・柔軟性の低下、肥満、偏平足、変形性関節症などが原因となってアキレス腱炎を引き起こすこともあります。
アキレス腱炎の検査

触診
痛み・腫れ・圧痛などの症状の有無を調べます。問診と触診で概ね診断が可能ですが、必要に応じて画像検査を行います。
超音波検査(エコー)
アキレス腱炎では、アキレス腱が太くなっており、超音波検査でそれを確認できます。また、他の疾患との鑑別にも有効です。
レントゲン・MRI検査
レントゲン検査では骨の状態を、MRI検査では腱の状態を、それぞれ観察します。他の疾患との鑑別にも有効です。
アキレス腱炎の治療法
アキレス腱炎では、主に以下のような治療を行います。
薬物療法
消炎鎮痛薬
消炎鎮痛剤、いわゆる痛み止めの内服です。
湿布
消炎鎮痛剤入りの湿布を貼ります。
保存療法
安静
スポーツはお休みし、患部の安静を保ちます。必要に応じて、松葉杖を使用します。
アイシング
急性期には、痛み・腫れを軽減する治療として、アイシングが有効です。
ストレッチ
痛みが落ち着いてからは、アキレス腱を伸ばすストレッチなどの運動療法を行います。ご自宅でもできるストレッチを指導します。
体外衝撃波(集束型)
体外衝撃波(集束型)は、アキレス腱やその付着部の痛みの原因となっている部位に、衝撃波を一点に集中的に照射する治療法です。
集束型の衝撃波を用いることで、アキレス腱の深部にある炎症や微細損傷部位にピンポイントで作用し、血流改善や組織修復の促進、慢性的な痛みの軽減が期待できます。
安静や薬物療法、リハビリを行っても症状が改善しにくい場合や、運動再開を目指す方において、保存療法の一つとして検討されます。
皮膚を切らない低侵襲な治療のため、身体への負担が少ないのも特徴です。
歩けないことも…アキレス腱断裂の症状
アキレス腱断裂とは、急激な運動などによって、アキレス腱が切れてしまった状態です。年齢や競技のレベルに関係なく起こり得ます。
アキレス腱断裂では、以下のような症状が見られます。断裂直後は歩行が困難になることもあります。
- ふくらはぎの突然の痛み
- 「バチン」「パンッ」などの破裂するような音
- かかとを地面につけた時、足首を動かした時の痛み
- つま先立ちができない
- ふくらはぎの部分的なへこみ
アキレス腱断裂の原因
急激な運動・運動不足
ダッシュやジャンプ、方向転換など急激な運動は、アキレス腱に大きな負担をかけます。特に、運動不足の方が急に激しい運動をした時などは、発症リスクが高くなります。
疲労の蓄積
スポーツや力仕事などによって身体・アキレス腱のダメージが抜けきっていないと、アキレス腱断裂が起こりやすくなります。
加齢
年齢を重ねると、誰でも腱の強度や柔軟性が徐々に低下していきます。
他疾患・副作用
もともとアキレス腱炎があったり、アキレス腱付近に繰り返しステロイド注射をしている場合、腱が脆弱化している可能性があります。
アキレス腱断裂の治療法
保存療法
軽度の断裂であれば、保存療法が選択されます。
患部をギプスなどで固定し、アキレス腱にかかる負担を最小限に抑えます。平均すると2~4週間の固定後、歩行が可能になります。その後、回復の程度に合わせて、ストレッチや筋力トレーニングを行っていきます。
手術療法
完全断裂している場合、スポーツ・仕事などへの早期復帰を目指す場合には、手術が検討されます。
手術では、断裂したアキレス腱を縫合します。平均して1~2週間程度固定し、その後リハビリテーションへと移行します。
この兆候が出たら危険!?アキレス腱の再断裂の危険性
アキレス腱が再断裂する自覚症状はある?
アキレス腱の再断裂が疑われる際に見られる断裂部の凹みや圧痛などがあっても、自覚症状が乏しい場合があります。そのため、治療期間中も定期的に超音波検査などを行い、経過を観察することが大切になります。
ただ、中にはツッパリ感・むくみ・熱感などの自覚症状が現れることもあり、もちろんその場合は、医師にお伝えください。
再断裂を防ぐためにできること
医師の指示に従ってリハビリを継続する
スポーツや仕事への復帰を焦って自己判断で負荷を大きくする・運動量を増やすことは、再断裂のリスクを高めます。自宅でできるリハビリについても指導しますが、その強度・量は、指示された範囲内に抑えましょう。
過度な安静を避ける
「再断裂したらどうしよう」と過度に安静にしてしまうと、筋力や柔軟性が低下したり、あるいは太ってしまうなどして、治癒が遅れたり、逆に再断裂のリスクが高くなるということもあります。
医師の指示を守りながら、適度に運動を継続していくことが大切です。